手足だけが冷える末端冷え性の原因と6つの改善方法を解説!

何をしても手足の冷えが改善されないと悩む女性が多く、年代問わず女性に起こりやすいのが末端冷え性の特徴です。この記事では、末端冷え性の原因と、改善するためのセルフケアを6つご紹介します。

末端冷え性とは? 

末端冷え性とは、寒いわけでもないのに手足だけが冷たかったり、布団に入っても手足が冷えてなかなか寝付けなかったりする症状のことです。

体の冷えには以下のように4種類あります。

  • 末端冷え性・・・手足がひどく冷えるタイプ
  • 体温が低い冷え性・・・体温が35度台のタイプ
  • 下半身の冷え性・・・上半身は火照るのに、下半身だけ冷えるタイプ
  • お腹の冷え性・・・お腹が冷えて下痢や腹痛に見舞われるタイプ

末端冷え性は、体温はそれほど低くはなく、上半身の火照りもそれほどないのですが、体の末端である手足だけが異常に冷えてしまう症状です。なかには冬はもちろん、真夏でも手足が氷水に浸したように冷えてしまう方もいます。

また、末端冷え性の方の多くは体温が36度台と高めなので、上記の4つの冷え症のなかでは軽い症状といえます。とはいえ、末端冷え性をそのまま放置すると、より深刻な下半身の冷えや体温低下につながる可能性があります。

冷えが悪化すると頭痛やめまい、物忘れ、集中力の低下、風邪を引きやすくなる、むくみ、便秘、薄毛といった心身の不調が起こりやすくなります。

末端冷え性の主な原因

末端冷え性はなぜ起こるのでしょうか。その原因を追及してみましょう。

筋肉量が少ない

筋肉は体の熱を生み出すほか、血液を全身のすみずみまで送る役割があります。しかし、女性は男性より筋肉量が少なく皮下脂肪が多いため、熱を作り出す力が弱く、体が冷えてしまうとふたたび温まりにくいことが末端冷え性の原因のひとつといわれています。

自律神経の乱れ

自律神経とは、人が正常な状態を保てるよう内臓や代謝、体温といった機能をコントロールする神経を指します。自律神経には心身を活発にする交感神経と、体をリラックスさせて休ませる副交感神経があり、この2つの神経がバランスを取りながら機能することで、私たちは健康な毎日を送ることができます。

体温は朝目覚めたときがもっとも低く、昼過ぎから夕方にかけてゆるやかに高くなり、夜になるとふたたび下がっていきます。しかし、ハードワークやストレス、過度な緊張によって自律神経が乱れると、体温調節がじょうずにできず、体が冷える原因になることがあります。

また、ストレスや過度な緊張などで交感神経が優位な状態が長く続くと、血管が収縮して血液の循環が悪くなり、体の末端である手足まで熱を運ぶことができず冷えが生じやすくなります。

ホルモンバランスの乱れ

女性はエストロゲンとプロゲステロンの2つの女性ホルモンが、バランスを取りながら分泌されています。しかし、出産や更年期など、ライフステージの変化によってこのホルモンバランスが乱れると、自律神経が影響を受けて血液の循環が悪くなり、冷えにつながってしまいます。

また、月経時は排出される血液量が多くなるため、熱を伝えるための血液が末端まで届きにくくなり、冷えを招くとも言われています。「生理中はいつもより手足が冷える」という女性も多くいるほか、女性ホルモンの分泌量が大きく減少する更年期世代も、冷え性を起こしやすくなります。

薄着や締め付けの強い肌着や衣服の着用

スカートやノースリーブなど、肌の露出が多い服装や薄着は体を冷やす原因のひとつです。特に夏のエアコンが効いた室内では、冷えた空気が肌の体温を奪ってしまいます。

また、締め付けの強い肌着や衣服を着用すると、血行が悪くなり手足の冷えにつながります。

今日からできる!末端冷え性の解消法6つ

ここからは、末端冷え性を改善するための方法を6つご紹介します。今すぐ簡単にできるものばかりですので、生活のなかにうまく取り入れて末端冷え性を改善していきましょう。

「首」「手首」「足首」の3つの首を温める

末端冷え性の改善は、まず体を冷やさないことがとても大切。特に「首」「手首」「足首」の3つの首を温めることが重要です。

首、手首、足首は体内の太い血管が通っているにもかかわらず、表面の皮膚との距離が近いため、外気による影響を受けやすく、体温が逃げやすい部位です。

首はネックウォーマーやマフラー、ストールを活用しましょう。手首にはアームウォーマー、足首はレッグウォーマーやハイソックスなどを着用すると良いでしょう。ただし、血流を妨げるような締め付けの強いものは逆効果です。また、化学繊維ではなく綿や絹などの天然繊維を選ぶと肌あたりが良くなります。

ゆっくり湯船に浸かる

忙しいときは手軽にシャワーで済ませたいところですが、シャワーは体表面しか温まりません。体の深部を温めるには、40度程度の湯温で約10分、ゆっくり湯船に浸かることが大切です。

汗ばむくらいまでしっかり湯船に浸かることで、副交感神経が優位となって血行が良くなり、リラックス効果が期待できます。また、より体を温めたいなら、“塩風呂入浴法”もおすすめです。天然塩や岩塩などを30〜50グラムほど湯船に入れてみてください。効率的に汗をかけるうえ、体を芯からぽかぽかと温めてくれます。

適度な運動や筋トレをする

適度な運動や筋トレも末端冷え性に効果的です。特に肩関節や股関節といった大きな関節には、体の中でも大きな筋肉がついているため、関節を中心に肩や脚を回すと血行がよくなって体が温まります。

また、筋トレを行うなら下半身を中心に鍛えると良いでしょう。筋肉の約7割は下半身に集中しているため、効率的に筋肉を増やすことができます。いきなりキツい筋トレを行わなくても、10回程度のスクワットから始めてみましょう。体を動かすことに慣れてきたら、ウォーキングやジョギング、ヨガなどを習慣にすると、体温を上げる効果が期待できます。

マッサージやツボで血行を良くする

体には冷え性に効果的なツボがあります。ツボを刺激すれば、血行がよくなって手足の冷えの改善が期待できます。ここでは末端冷え性に効果的なツボを3つご紹介しましょう。

三陰交(さんいんこう)

三陰交(さんいんこう)は、内くるぶしの指4本分上、すねの骨のキワにあります。下半身の冷えやむくみ、更年期障害や生理痛にも効果があるといわれています。

丹田/関元(たんでん/かんげん)

丹田は上丹田、中丹田、下丹田の3つあり、一般的に丹田と呼ばれるのは下丹田を指します。下丹田はおへそから下に指4本分、そこから背骨に向かってさらに指4本分の脇腹にあります。末端の冷えや息切れなどに有効で、押したりマッサージをしたりすると手足の先がぽかぽかしてきます。

大椎(だいつい)

大椎(だいつい)は、首の後ろの襟があたる部分で、骨が出ているところのすぐ下にあります。首や肩のコリをほぐすと同時に、全身を温める効果もあります。

リラクゼーションでストレスを軽減する

ストレスによる自律神経の乱れを整えることも、末端冷え性の改善に効果的です。アロマテラピーは、植物の香りで自律神経の乱れやホルモンバランスを整える効果があります。ここでは有効な香りを3つご紹介します。

ラベンダー

ラベンダーの香りには鎮静効果やリラックス効果があります。ストレスや不安感を解消するのに役立ちます。

オレンジスィート

甘くさわやかでフレッシュな香りのオレンジスィートは、不安やストレスから来る緊張感をほぐす効果があります。

ゼラニウム

華やかさとさわやかさを併せ持つローズ調の香りのゼラニウムは、イライラを解消し、安眠へと導いてくれます。

末端冷え性に効果的な食べ物や飲み物を摂取する

かぶや大根、白菜などの寒い季節に旬を迎える野菜は体を温める作用があります。お鍋などにして食べるとより温まります。

また、白砂糖を使ったお菓子やファストフードは、血糖値の上昇を促し、代謝を下げてしまうため、控えめにしましょう。朝一番の白湯や、ショウガ入りの紅茶も体を温める作用があります。

末端冷え性には漢方生薬の力も効果的!

ご紹介してきた6つの改善法に加え、末端冷え性におすすめなのが、漢方生薬を用いる方法です。

特に手足の冷えや、体の芯から冷えてしまう方には「大和当帰(やまととうき)」「大棗(たいそう)」 です。大和当帰は血流を改善し、冷え性や滋養強壮、貧血などに良く効く生薬です。

大棗は、筋肉や神経の緊張を緩和し、体を温める作用や更年期の改善に効果があるといわれています。

末端冷え性にお困りの方は、ぜひこれらの漢方生薬の力を取り入れてみてください。

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